自動車ニュース
取引環境・労働時間改善兵庫県地方協議会開催 (2/2)
今回の大きなテーマである標準的な運賃、「ホワイト物流推進運動」について、各委員から様々な意見が挙げられた。福永征秀・兵庫県トラック協会会長は「運賃交渉は、コロナ禍という所で経済的な状況からどうしても、抑制されるという所がある。どうしても事業進めて持続可能な状況を続けるとすれば、やはり運賃を上げていただいて、労働環境を整え、そして荷主の要望に答える環境を整えていくのが我々の使命とわかっておりながら、やはり経済減速と状況の中で行くと、非常に難しい面がある」とし「そこでホワイト物流の進め方を違った形で展開できないかと。ホワイト物流の感覚を子供たち、小学生の時からサプライチェーンマネジメントという状況、ホワイト物流を教科書に載せ、皆さんに知っていただくという、社会に知っていただくという環境づくりを進めて、荷主や一般消費者にも理解していただき、我々の業務が進めやすくなるんじゃないかなと思っている」と述べた。

その後、森下徹・兵庫県経済者協会常務理事・事務局長はホワイト物流について「女性それと高齢者、障碍者や外国人の方も含めて、雇用していくことで色々なイメージアップにつながるのではないかと感じました」と述べた。また小谷座長の「荷主の間で、標準的な運賃やホワイト物流の推進に向けまして、文書の発出や説明会等行っているのですけども、広報について少し伸び悩んでいるところもある」の質問に対し、森下氏は「これは地道に団体と連携を取りながら、続けていかなければならないのかなと思う。すぐには効果が出るものではない」と答えた。

働き方改革の観点から木南一志・兵庫県トラック協会副会長は「トラックドライバーの休憩施設、あるいはトイレというインフラ整備が実際に進んでいる部分があまり聞こえてこないので是非そういう部分も予算の中に取り入れて、取り組んで頂きたいと思う」とした。

また異常気象時の輸送遅延について木南氏は「ドライバーの責任になってしまう。荷主側からすれば運送会社の責任になってしまうのが一番の問題でこれを社会問題にしていただかないとドライバーが救われない。ぜひこの点をご理解いただきたい」と強く訴えかけた。それに対し末満部長は「今年度にあった大雪についていうと、今までなかったこととしては、整備局や高速道路会社や気象庁とかが一体となって、大雪に関する緊急発表というものを出していただいている、そこで事前通行止めの可能性のある道路などの情報をできるだけお知らせする。そういった情報をもって、トラック運送事業者さんと荷主さんとの間で話をしていただけるような情報提供は少しずつできているのかなと思ってはいる」としつつ「この問題は、さらにいい方向に対応できるのか議論して改善していくことなのかなと思うので、今年より来年の方が良い対応になるように頑張っていきたいと思っている」と語った。

協議の終了に際し荒木祥一・兵庫労働局長じは「働き方改革関連法が順次施工されており、本年4月からは同一労働同一賃金が中小企業にも適応されることとなっている。また、運送業においては時間外労働の上限規制が施行後5年間の適応猶予となっているけれども、令和6年の4月からは年間の上限規制が科されることになる。Withコロナ社会、そしてポストコロナ社会への課題への対応という視点を加えながら、トラック運転者の長時間労働縮減、そして取引環境の改善こういうことがますます推進されますように私ども労働局といたしましても、出席いただいている皆様のご協力を得ながらしっかりとすすめていきたいと考えております」とあいさつし締めくくった。