自動車ニュース
大阪自動車会議所、人権研修会開催 (2/2)
続いて、来賓あいさつで後藤浩之・近畿運輸局大阪支局長は「人権の重要性というのは非常に重要な問題。さらにコロナ禍でエッセシャルワーカーの人たちや家族の方への、いわれのないような差別を受けるという様なこともあると聞いている。この研修の内容を外部に提案することによって、厳しい状況でエッセンシャルワーカーとして働かれている皆様等をしっかり守っていきたいと考えている」と述べた。

講演は(1)企業を取り巻く人権の動向(2)コロナ禍と人権問題(偏見や差別)(3)職場の人権〜ハラスメントの防止のために〜―の3部構成で人権について説明が行われた。芝本氏は「人権尊重は社会の営みの基本であり、企業においても、お客様、職場、地域社会等の事業活動のあらゆる場面に人権が関わっている。人権を大切にする企業活動は、社会や顧客。従業員からの信頼・信用の獲得につながる」と企業を取り巻く人権の動向について説明した。またコロナ禍における差別について「第一の感染症『病気』から第二の感染症『不安』に、そして第三の感染症『差別』につながる、敵は本来ウイルスであり、本来を見失い差別につながる」とし「コロナ差別は、エッセシャルワーカーのモチベーション低下や過度な不安感を与える」と説明、企業側の対応として「感染した人の名前は絶対に公表しない。復帰後はいたわりの言葉で、相手の気持ちを受け止めることだ」と対応を求めた。またハラスメントについて芝本氏は「呼称は様々。しかしいずれも労働者の人権や尊厳を侵害する行為であり、個人間のトラブル問題ではなく、企業における労働問題として社会的に対応が求められている認識が必要」と述べ、過去の判例などを紹介。指導について「怒るではなく、叱ること。相手の人格を否定すればハラスメン的指導に当る」とポイントを述べた。

最後に芝本氏は「人を叱る時の四つの心得1.プレーを叱っても人格は責めない 2.あとで必ずフォローする 3.他人と比較しない 4.長時間叱らない」の元ラグビー日本代表監督の平尾誠二氏の言葉を紹介し講演を締めくくった。