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柳瀬孝幸氏 新自動車交通部長 就任会見
「丁寧に議論を重ね、丁寧に仕事をしていく」柳瀬部長

近畿運輸局自動車交通部長の柳瀬氏が7月15日に、大阪合同庁舎4号館にて、記者会見を開いた。柳瀬氏は7月1日付で自動車交通部長に着任したばかりであり、今後の取り組みについての抱負を語った。

開催冒頭、柳瀬部長はこれまでの経歴について「平成15年に国土交通省に入省し、関西地方での勤務は初めてです。これまでは、航空、鉄道、観光、道路、都市、不動産、建設など、旧建設、旧運輸と言われる所管分野に関わらず幅広く担当してきた」と説明し、「出身は大分県。秋田県庁への出向経験もあるので、地方との関わりも多い」と述べた。また、「公共交通の役割、地域の足としての事業性を認識しており、バス、タクシー、トラックは、我々の生活に欠かせないものだと考えている。しかしながら、コロナ禍の影響でバスとタクシーは非常に厳しい状況と伺っている」としたうえで「人手不足や高齢化などさまざまな課題があると聞いている。行政の立場として、関係者と連携しながら業界の発展に貢献するとともに、利用者の利便向上に努めてまいりたい」と今後の抱負について語った。
 
関西との関係性については「観光で、京都・奈良をはじめ各県を訪問したことがある。鉄道局にいたころは、地域公共交通活性化法の改正にも携わっていた。内閣官房の都市再生では、都市再生特別措置法に基づいて、地域内の再開発を推進するため、金融や規制緩和などに取り組み、大阪ではなんばパークスや梅田北ヤードの再開発にも従事した」と述べた。さらに「観光の分野ではインバウンド1000万人を目指してビザの発給要件の緩和や外国人向けの消費税の免税制度の拡大などに取り組み、その後、一気にインバウンドが増加して大阪や京都の町がインバウンドで溢れかえるような光景が出来あがったのが大変印象的だった。コロナ禍で観光、交通関係の業界に非常に大きな影響が出ており、出来る限りの支援をしていきたい。なんとか乗り切って、賑わい溢れる姿を取り戻していきたい」と意気込みを述べた。
 
大阪のタクシーの印象については「赴任してからまだ利用していない」と前置きしつつ「以前、インバウンドが大幅に増えたときに大阪にきて、運転手さんにお話しを伺ったことが印象的だった。当時、やっと1000万人を超えた時代で、まだまだインバウンドの受け入れに抵抗のあるときだった。ただおもてなしの精神で、積極的に受け入れていくという姿勢が根付いていることは本当に素晴らしいと感じた。インバウンドに限らないが、よりお客様を受け入れるためにアプリなどの新技術の活用を含めて、積極的な姿勢でさまざまな取り組みをしていく姿勢が大事だ」と今後の取り組みについて語った。
 
近畿のタクシー行政について前任の部長からどのような引継ぎがあり、特に当面の課題については「引継ぎの詳細については控えさせていただく」としたうえで「コロナ禍で各事業者が厳しい状況だと伺っている。まずはコロナ対応をしっかりやること」であると、事業者のサポートをしていくとした。

▽柳瀬孝幸・自動車交通部長 略歴
(生年月日)昭和55年3月7日(41歲)
(出身地)大分県
(学歴)東京大学 法学部 卒

平成15年4月 国土交通省航空局監理部総務課
平成19年4月 国土交通省鉄道局総務課係長
平成21年7月 広島県警察本部交通指導課長
平成23年8月 国土交通省総合政策局政策課課長補佐
平成25年7月 国土交通省観光庁総務課長補佐(観光庁参事官付併任)
平成28年4月 秋田県観光文化スポーツ部観光戦略課長
平成31年4月 国土交通省道路局総務課道路政策企画官 
令和2年9月  国土交通省大臣官房会計課公共工事契約指導室長
令和3年7月  近畿運輸局自動車交通部長