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タクシーは公共交通機関の一つ 滋賀県タクシー特定地域協議会 (2/2)
 
 協議会の中で、鎌田叶氏(滋賀県ハイヤータクシー労働組合連絡協議会会長)は「地域策定の結果が出た時に地域協議会に参画していない企業にどう対応するのか」と述べた。
 
 今回の協議会から新たな構成員に加わった近藤宏一氏(立命館大学経営学部教授)は「全国で行われている市町村合併により合併された旧市町村からタクシーがいなくなるということも発生している。そういった状況も頭に入れ、協議を行う必要がある」と述べ、車両数など一つの問題に目を奪われないよう幅広く意見することも大切だと述べた。

 地域住民の立場からは内田一豊氏(大津市自治連合会副会長)が「県内のタクシー運転者のうち60%を占める高齢運転者と交通事故との関係についてはどう考えているのか。また、60歳以上の運転者には年金受給者もいる。資料で示された平均賃金は実数値なのか」と疑問点について意見。

 一方、行政の立場からは野坂尚宏氏(滋賀県土木交通部監理監)が「県内は鉄道網が整備され、120の駅、駅から5キロの範囲に92%の人が住んでおり、タクシーに乗るなら駅からという地域性がある。駅の待合場にタクシーが1台しかないといったこともあり、乗りたい人が乗れないということもあると需要と供給のバランスについて今後、検討する必要がある」と述べた。

 また、村山邦博氏(東近江市生活環境部)は「コミニュティバスを近江バスに委託し運営しているが、補助金が無ければ走らせることが出来ない。デマンド(乗合タクシー)を導入するつもりはないのか」と公共交通機関の一つであるタクシーの役割をどう考えていくかに重点を置き意見した。

 なお、適正車両数について事務局から示された資料によると、大津市域交通圏は約333両。湖南交通圏は約222両。中部交通圏は約122両。湖東交通圏は約114両(いずれも平成13年度実績値を適用した場合)。今後、行われる2月25日の第3回、3月24日の第4回協議会で地域計画の策定を進め適正車両数についても数値を盛り込む予定。