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トラック運送事業者のための人材確保セミナー開催
「人材不足に大切なのは、人材がやめないこと」小坂氏

兵庫県トラック協会(原岡謙一会長)は10月27日、全日本トラック協会と共催で「令和3年度 トラック運送事業者のための人材確保セミナー 〜「新時代」に対応した人材の採用・定着〜」を兵庫県トラック総合会館で開催した。セミナーでは、日本PMIコンサルティング(株) 代表取締役の小坂真弘氏が講師を務め、テキストを用いて、「新時代」における運転者人材の実態、運転者人材等の採用、人材が定着するための職場環境の整備、働き方改革に対応した実務と4項目について説明した。 兵ト協会員事業者約40名が参加。

小坂氏は開催冒頭、運転者人材の実態について「コロナ禍により荷物が減ってきていたが、少しずつ荷物が戻ってきたことにより人材を確保したいという事業者様も増えてきた。生鮮品、食品はコロナ禍の中でさらに輸送が増加、荷物の種類によって人材不足のところとそうでないところがくっきりしてきた」と述べた。

その後、運転者人材採用における人材採用の策定の説明で小坂氏は「優秀な人材を確保するには多様な求人活動を行うことが重要」と述べた。具体的には自社社員等からの紹介、採用専門サイト、求人誌等、自社ホームページの活用、ハローワークの活用の4項目である。

人材が定着するための職場環境の整備における社内処遇制度の見直しでは、運転者に定着してもらうための取り組むべきポイントで、労働条件、人事・労務管理、職場環境、教育の整備の4項目とした。その中でも職場の雰囲気が重要で、例えば、懇親会や家族ぐるみのイベント、現場の運転者を大切にする雰囲気があるなど、仕事がやりやすい職場環境が大切とした。

働き方改革に対応した実務における労働時間の管理において、5つのポイントがある。「1日」、「1カ月」、「1年」のそれぞれの時間外労働が、36協定で定めた時間を超えないこと。休日労働の回数・時間が、36協定で定めた回数・時間を超えないこと。特別条項の回数(=時間外労働が限度時間を超える回数)が、36協定で定めた回数を超えないこと。月の時間外労働と休日労働の合計が、毎月100時間以上にならないこと。月の時間外労働と休日労働の合計について、どの2〜6カ月の平均をとっても、1月当たり80時間を超えないことである。

最後に小坂氏は「人材不足に最も大切なのは人材がやめないこと。人がやめないような対策をしつつも、妥協した人材は採用しない。特に勤務年数が短い、半年や数カ月であり退職理由が不明確な場合は避けて、しっかりと定着できる人を採用することが大切である」と述べてセミナーを締めくくった。