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近畿運輸局長と兵庫県自動車関係団体長の懇談会
「具体的方策で、より効果的に支援」金井局長

金井昭彦・近畿運輸局長と兵庫県の自動車関係団体長との懇談会が11月8日、兵庫県自動車会館で開かれた。

各関係団体を代表して、兵庫県トラック協会の原岡謙一会長は「新型コロナウイルスの影響が以前続いている。政府は、さまざまな経済対策を講じているが、エッセンシャル事業として位置づけられている公共交通や物流など国民生活や経済活動を支える事業に対する理解促進と業界に対する支援を引き続きお願いしたい」と要望、挨拶した。

金井局長は「新型コロナウイルスの影響により、関西全体に観光需要等の大きな影響を与えていると、事業者の方々とお話するなかで強く感じた」と述べ、また「自動車業界全体では、人手不足や燃料の高騰などさまざまな課題がある。しっかり一つひとつの具体的な課題に対して解決の方向性を探り、業務を行っていく。みなさまから忌憚のない意見をいただき、今後の対策を講じていきたい」と挨拶した。

続いて、各関係団体長が現況の報告と要望を述べた。兵庫県バス協会の長尾真会長は「業界の乗合バスの現況は85%〜88%の回復だが90%上限と思う。今は何とか減便等でしのいでいる。観光バス高速バスも厳しく50%台の稼働。また、EVバスの国産開発もお願いしたい。私どもは、地域交通の確保のため、空白地の輸送確保として、デマンド交通は有効と思っている。タクシーの権益を冒すことなく、基本的な方針を示していただきたい」と要望した。

兵庫県タクシー協会の吉川紀興会長は「本年10月から少しマシになった。80%〜85%の水揚げにもどった。乗務員不足が深刻で需給調整をまたやってほしい。さらに、Go Toトラベルの早期再開とクーポン券発行をお願いしたい。事業者への助成と、ライドシェアをストップしてほしい」と訴えた。前野博司・兵庫県個人タクシー協会長は「かつて1,300人の個人タクシーが現在600人。組合運営に支障がない様確保をお願いしたい」とした。

原岡会長は、燃料高騰、ドライバー不足、高齢化など諸課題について支援をもとめて「標準的な運賃の時限延長、高速料金の大幅引き下げ、また、運輸助成交付金の全額交付について支援をお願いしたい。働き方改革へは、標準運賃を荷主にお願いしつつしのぎたい」と述べた。

兵庫県自動車整備振興会の西原興一郎会長は「本年度の取り組みは、特定整備制度施工による電子制御装置整備認証取得の推進です。新たなOBD(車載式故障診断装置)の点検も確実に実施するよう、適切な広報等をお願いします。円滑な事務処理を実施していただいていることから会員事業者も順調に特定整備の認証取得できた」と報告した。

日本自販連兵庫支部長の瀧川高章氏は「OSSの推進に努め利用も向上した。先進技術の安全車両の販売促進、さらに、交通安全活動も展開している」と報告した。

金井局長は要望の多かったバス、タクシー、トラック関係を中心に「公共交通は一度なくなると回復せず、しっかり支援したい。デマンド交通でバスはタクシーとも関係する。共に地域活性化の手法として、足をどう確保するか重要だ。新たな技術で国と自治体と事業者が連携して具体的なスタンス、また観光事業と一緒にやりたいと思う。Go Toトラベルはその先にインバウンドもある。人流だけでなく感染対策もしっかりしたうえで、具体的方策をより効果的に兵庫陸運部と連携してやっていきたい。物流の標準的な運賃はサプライチェーンの変化で荷主の認識も変わってきている。(荷主も)交渉の議論を拒否しないと考える。ここはしっかりと労働環境を訴えていただきたい」と応えた。

なお、懇談会には盛田慎吾・近畿運輸局自動車技術安全部長と、池田博美・神戸運輸監理部兵庫陸運部長が陪席した。