自動車ニュース
年頭所感― 一般社団法人 兵庫県トラック協会長 原岡 謙一
課題に英知を結集
政治的活動も


新年明けましておめでとうございます。
令和4年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
会員事業者の皆様はじめ関係各位におかれましては、お健やかに新年をお迎えになられたことと、心からお慶び申し上げます。

さて、一昨年から続く新型コロナウイルスは感染の拡大と収束を繰り返し、私たちの生活に大きな影響を及ぼしました。ワクチン接種も進み、昨夏の第五波以降は医療体制の落ち着きも見受けられますが、新たな変異ウイルス「オミクロン株」の検出など、まだまだ予断を許さない状況は続いていくものと考えられます。

一方で、新型コロナウイルス感染拡大による輸送量の減少により、事業経営に大きな影響を及ぼしているなか、昨今の燃料価格の高騰を受け、私たちは徹底した省エネをはじめとする必死の自助努力にもかかわらず、経営状況は悪化の一途をたどり、今や多くの事業者がまさしく事業存続の岐路に直面しています。
このような状況において、経営危機を速やかに打開するため、昨年12月2日、全日本トラック協会、全国ハイヤー・タクシー連合会、日本バス協会の自動車3団体による「燃料価格高騰経営危機突破総決起大会」が開催され、自由民主党・公明党の政権与党の議員に対し、対策の実現を訴えたところであります。

また、一方、令和2年4月に国土交通省から告示された「標準的な運賃」については、私たちトラック運送事業者の荷主に対する交渉力が弱いことや、令和6年度から年間960時間の時間外労働の限度時間が設定されること等を踏まえ、運転者の労働条件を改善し、トラック運送業がその機能を持続的に維持していくに当たっては、法令を遵守して持続的に事業を行っていくための参考となる運賃を示すことが効果的であるとの趣旨により設けられたもので、この「標準的な運賃」を活用するためには、運賃・料金の設定変更届を行っていただく必要があります。

しかしながら、兵庫県における届出率は極めて低調な状況にあり、コロナ禍で交渉できる状況にないという声もありますが、2年後に迫った時間外労働の上限規制など働き方改革をすすめるための「肝」が全産業平均から出された標準的な運賃の人件費であり、標準的な運賃の考え方に沿った運賃の届出を行って、トラック運送業の健全な経営を図ることが業界全体の総意だという姿勢を見せつける、将来に向けた運動と捉えていただきたいと思っております。

当協会では、会員の皆様とともに、トラック運送業界が抱える多くの課題に着実に取り組み、将来にわたる運送業界の発展のため、一つずつ確実に解決し、社会から信頼される業界・協会づくりに一層取り組んでまいりたいと存じます。
そのためには、私どもが英知を結集し、業界の抱える諸課題に取り組むことは勿論、政治的な働きかけも視野に据えて、課題の解決に向けた行動を起こしてまいりたいと考えています。

つきましては、会員の皆様をはじめ、関係各位の一層のご支援、ご指導とご理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆々様のご健康、ご多幸を心から祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。