自動車ニュース
年頭所感―一般社団法人 兵庫県自動車整備振興会長 西原興一郎 (1/2)
事業発展で、社会的地位の向上を

新年明けましておめでとうございます。令和4年の年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

昨年は、一昨年から続く新型コロナウイルス感染症の終息が見えないながら、昨秋には感染者数も減少し、9月末には緊急事態宣言が全面解除となりました。しかし、世界中では、新型コロナウイルスの新変異株が猛威を振るい、感染急拡大と景気減速のリスクが改めて認識され動揺が生まれました。

また、新型コロナウイルスの影響で、振興会・商工組合の多くの事業が影響を受けましたが、3年目の今年こそは新型コロナウイルス感染症が終息し、当会・当組合の今年度事業計画が円滑に推進できることを祈らずにはおれません。

自動車業界に目を向けてみますと、昨年の新車の販売台数は、新型コロナウイルスの影響に加えて、半導体の不足や途上国からの部品の停滞などがあり、10月の新車販売台数が、前年同月比31.3%減と、同月としては過去最低の台数となりました。国内乗用車新車市場に占める電動車販売比率については、46.0%となり、乗用車販売の2台に1台が電動車にせまっています。

半面、新車減産の納期の長期化により近畿2府4県の2021年度上期(4月〜9月)の継続検査台数は、前年同月比4.5%増の212万5,981台でありました。また、中古車市場においても品薄の状態となっています。

世界の経済状況は、コロナ危機の対応により、デジタルトランスフォメーションやカーボンニュートラル実現への流れが世界的に強まる転換機ととらえ、デジタル時代にふさわしい新しいビジネスのあり方を模索しながら今後の景気回復を願います。

一昨年4月に施行された改正道路運送車両法で示されているように、整備業界では検査・整備の高度化に対応した設備、技術、情報の改善が求められ、会員整備工場は、技術力の向上、整備情報の環境整備、特に汎用スキャンツール等機械器具、部品の供給、教育・研修体制の構築等々に取り組みが求められました。

兵整振といたしましては、新たに法改正で制定された電子制御装置整備の認証取得に向け、整備主任者の資格要件に伴う講習などを重点項目として取り組みました。本年も引き続き重点事業項目とし最優先に取り組んでまいりますので、会員の皆様方のご協力宜しくお願い申し上げます。

また、直近の自動車特定整備業の実態調査結果(令和2年度版自動車整備白書)によると、総整備売上高は5兆6,561億円(+345億円(+0.6%))となり4年連続で増加しております。コロナ禍の中でもユーザーの消費意欲が喚起され、法定需要では定期点検整備の需要が増加した以外に、その他整備需要も増加し総整備売上高の増加に繋がったと推測されます。

しかし、直近4年間の売上は上昇したものの、その整備売上高は東日本大震災前の平成23年度には及ばず、中長期的には平成7年度をピークに減少傾向が進んでいます。このため、自動車整備業のビジョン2※にも示されている「整備技術力の強化」「CS向上による入庫や売り上げの拡大」「ES(従業員満足度)の向上と若年者の雇用と人材育成」「健全な経営の実践」等を強力に推進することにより、変化の激しい経営環境に対応できる業界となることが求められています。
このような転換期にあたり、令和4年においても将来に向かって持続的な繁栄を目指し、業界全体の活性化と経営基盤の確立を推進するための諸事業を実施し、自動車のユーザーが常に安全で安心してクルマをお使いいただけますよう、整備事業者の皆様と共に社会的役割を果たしつつ、業界全体の更なる発展をめざして取り組んでまいります。