自動車ニュース
令和3年度 交通事故防止大会
飲酒・危険運転根絶を誓う

兵庫県トラック協会(原岡謙一会長)は12月3日、兵庫県トラック総合会館にて令和3年度交通事故防止大会を開き、(1)追突事故、過労運転、車間距離確保、制限速度遵守 (2)右左折時の安全確認 (3)夕暮れ時の早めのライト点灯、雨天・曇天時の点灯 (4)信号のない横断歩道で歩行者、自転車が渡りきるまで停止 (5)飲酒運転、あおり運転など危険運転の根絶―の5項目の重点目標を実践する大会決議を採択して無事故を誓った。

原岡会長は開会にあたり「年末年始の無事故を願って毎年この時期に大会を開き、事故防止に努めている。すでに10月20日現在で、18件の飲酒事故も発生しており、トラック業界の社会的信頼を失墜させかねる状況です。年末年始、仕事が増えることで焦る気持ちが事故を引き起こします。管理者もドライバーも心に余裕を持って安全第一で事故防止に取り組むことが大切。この大会が実りあるものとなるよう祈念します」と挨拶した。

来賓の池田博美・兵庫陸運部長は「ドライバーによるながら運転が指摘されている。徐行運転であったとしても緊急事態への対応が遅れることは必然です。ながらスマホによる運転防止への取り組みを強化いただきますようお願いします。また、車両へのリスク管理では、大型車によるタイヤの脱落、昨年度から準備不足による雪道での立ち往生が、行政処分に追加された。冬タイヤへの交換時期になる今、改めてチェックをお願いします。交通事故を1件でも減らせられるようご尽力いただきたい」と事故防止の協力を求めた。

講演は梶野宏和・兵庫県警 交通部 交通企画課 警部が「県下の交通事故情勢について」と題して、植木峰雄・兵庫陸運部 整備部門 陸運技術専門官が「交通事故防止に係る最近の運輸行政の動きについて」、最後に、坪井敏行・株式会社ユービーエム 運輸部 部長代理(安全推進担当)が「我社の事故防止の取り組みについて」と題して述べた。

梶野警部は「10月末現在、県下の交通事故死者数は88人(前年+8人)で全国ワースト7位。事故死者の内訳として、65歳以上の人が55人で半数以上を占めている。確定した統計値ではないが、昨日付けの交通事故死者数は99人(前年+5人)、このうち8件は飲酒運転の事故で亡くなられている。また、最近はアクセルとブレーキの踏み間違いが頻発している。県内では10月末で135件も事故があった。その中で65歳以上の人が63件起こしている。高齢になるほど踏み間違いの事故が多くなる傾向だ。そして、横断歩道での事故が多いことから、横断歩行者を守るために交通の取締まり強化を行っている」と説明。また「あおり運転」「飲酒運転」の根絶を訴えた。

植木専門官は「飲酒運転事故は、2020年は36件(前年−20件)、全てトラックによるものだ。飲酒運転の防止徹底に協力いただきたい」と述べ「遠隔地に行くときは、アルコール検知器を携行していただくことなど、点呼時のチェックをお願いしたい」とした。また大型車の車輪脱落事故について、左後輪タイヤの落輪が令和2年度のデータでは131件中125件(95%)となった。車輪脱落事故を防ぐために、まず点検、ボルト・ナットの清掃、給油、トルクレンチの使用、50〜100km走行後の増し締め、日常点検での確実な確認の4点とした。

坪井部長代理(安全推進担当)は、社内で技術力運転向上のために、駐車の練習風景をドローンの映像で撮影し、客観的な情報でドライバーの方に分かりやすく指導する方法に取り組んで事故防止に努めていることを説明した。

大会は、川端敬三・兵ト協青年部協議会副会長の大会宣言の決意表明を全員拍手で採択、最後に、村上功・兵ト協副会長は「飲酒運転の撲滅、年末年始の事業用トラックによる交通事故撲滅を目的として本大会を実施した。年末年始の輸送安全行動指針を使用していただき、年内無事で業務を遂行し、新年からは更なる輸送安全意識の向上に努めてもらいたい」と閉会のあいさつで締めくくった。