自動車ニュース
「安全・安心・快適な交通社会」を目指して
兵庫県警察本部 交通部長 角田正文

自動車関係業界の皆様方には、平素より交通安全対策をはじめ、警察業務の各般にわたりまして格別のご協力を賜っておりますことに、心より御礼を申し上げます。
 
さて、兵庫県内の交通情勢につきましては、人身事故件数は減少傾向にありますが、死者数は、本年8月末現在の速報値で83人と、前年対比で15人増加しており、その中でも全交通事故死者に占める65歳以上の高齢者の割合が過半数を占めており、その多くは歩行中、とりわけ道路横断中に発生している状況にあります。

また、飲酒運転については、検挙件数が7月末現在で479件と前年対比96件の増加、飲酒運転の関係する交通事故も48件発生しており、飲酒運転の悪質性・危険性が未だ県民に浸透しておらず、依然として「安全・安心・快適な交通社会」を実現するには厳しい状況にあると認識しております。

新型コロナウィルス感染症対策の行動制限が緩和され、人の往来や交通量など日常生活が戻りつつありますが、これからの季節、日没時間の急激な早まりに伴い、例年交通事故が増加する傾向にあります。

 このような交通情勢の中、9月21日から30日までの10日間、「秋の全国交通安全運動」が実施されます。
 本運動の重点につきましては、
○子供と高齢者を始めとする歩行者の安全確保
○夕暮れ時と夜間の歩行者事故等の防止及び飲酒運転の根絶
○自転車の交通ルール遵守の徹底
 の3点となっております。

県警察としましては、歩行者の安全確保のため「横断歩道合図運動プラス」を関係機関団体の皆様と協働して推進するほか、横断歩行者等妨害等の交通取締りによる歩行者保護を行う一方で、歩行者・自転車による信号無視などの違反行為は、指導警告書を活用するなどして、正しい横断方法や自転車安全利用五則、ヘルメット着用義務の周知などを行ってまいります。

また、夕暮れ時、夜間帯の交通事故防止を図るため「反射材用品」を配布し、活用の促進を行います。自動車の運転に際しても、早めのライト点灯(10月からは午後4時推奨)やハイビームにすることにより歩行者等の早期発見が可能となりますので、運転の際はご活用をよろしくお願いします。

飲酒運転対策としては、酒類提供飲食店には、運転者への酒類提供禁止の徹底や「ハンドルキーパー運動」を推奨し、事業所等には安全運転管理者等による運転前後の飲酒確認を徹底するなど、飲酒運転を許さない社会環境の醸成を目指すとともに、飲酒運転根絶に向けて、徹底した交通指導取締りを行ってまいります。

 併せまして「秋の全国交通安全運動」に関連する情報につきましては、兵庫県警察のホームページやツイッター、フェイスブックにも掲載し、また、日々の交通事故発生状況や、交通取締り計画、警察署から寄せられた情報なども随時掲載しておりますので、ご一読いただければ幸いです。

皆様方におかれましては、現下の交通情勢と本運動の趣旨を御理解いただき、感染拡大の防止対策を十分講じた上、職場や地域、家庭における交通安全に関する諸活動を行っていただくなど、なお一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。