自動車ニュース
バス総合安全プラン2025研修会
「絶対ミスを起こさない、その想いで」長尾会長

庫県バス協会(長尾真会長)は9月6日、兵庫県農業共済会館で、令和4年度バス総合安全プラン2025研修会を開催した。講師には、兵庫県警察本部交通部交通企画課安全指導係で警部補の白土総一氏が「交通事故の情勢と対策について」、神戸運輸監理部兵庫陸運部整備部門で陸運技術専門官の恩地聡氏が「事業用自動車の安全対策」について、それぞれ資料や映像で説明した。

開会のあいさつで長尾会長は「コロナの間に、乗り合いバスの死亡事故は、令和2年度で全国9件。例年からは4件増加をしています。つまり、稼働やお客様の数に関係なく、事故は起こっていると思います。運輸事業、バス事業、こちらにつきましては、「事故はつきものである」と言う方がいらっしゃいます。しかし、野球の王貞治さんのお言葉にありましたが、人間はミスをするというものだと。人間はミスをしても仕方が無いというふうに思う、それが普通だと思いますけれども、そう思っている人は、必ずミスをする、とおっしゃっています。絶対にミスを起こさない。その想いで真剣勝負に望む。この安全プラン2025を、本当に真摯にそして本気で取り組んでいただきたい」とあいさつした。

白土氏は、ドライブレコーダーの映像を見せながら、どのようなときに事故が起こりやすいのかを説明した。例えば、高速道路を降りて一般道路に入ると高速道路の速度感覚が残っているため実際の速度よりも遅く感じるといったスピードの錯覚。また、夜間、自車と対向車のヘッドライトの重なる位置は歩行者や自転車が見えなくなるといった蒸発現象だ。

このような錯覚等で事故を起こさないためには、錯覚が起きても事故になりにくいように運転速度を抑え、無理をしないこと。また、錯覚以外のミスが発生しないように、体調の管理、ストレスの緩和が大切だとした。

続けて、恩地氏からは資料に沿って事業用自動車総合安全プラン2025、健康起因事故の防止等について説明があった。事業用自動車総合安全プラン2025の重点施策としては、1.「新たな日常」における安全・安心な輸送サービスの実現、2.抜本的対策による飲酒運転、迷惑運転等悪質な法令違反の根絶、3.ICT、自動運転等新技術の開発・普及促進、4.超高齢社会におけるユニバーサルサービス連携強化を踏まえた事故の防止対策、5.原因分析に基づく事故防止対策の立案と関係者の連携による安全体質の強化、6.道路交通環境の改善、の6項目とした。

健康起因事故の防止等については、まず、法令上の義務として、乗務員の健康状態の把握、疾病等により安全な運転ができないおそれのある乗務員の乗務禁止、運行管理者による点呼時の確認。

また、健康管理に関するマニュアルの策定・改訂では、健康管理マニュアル、睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル、脳血管疾患対策ガイドライン、心臓疾患・大血管疾患対策ガイドライン、の4点。

さらに、事業用自動車健康起因事故対策協議会では、平成27年9月にスクリーニング検査の効果的な普及方策について審議するため、産学官の関係者からなる協議会を国土交通省自動車局に設置した。