自動車ニュース
同一労働同一賃金対応セミナーを開催
「労使でよく話合い、明文化が重要」金澤氏

兵庫県トラック協会(原岡謙一会長)は11月9日、トラック総合会館にて、トラック運送事業者のための同一労働同一賃金対応セミナーを開催した。講師には、株式会社NX総合研究所でシニア・コンサルタントを務める金澤匡晃氏を招いて行った。今回のセミナーでは、資料に沿って同一労働同一賃金の概要、判例及び取り組むべき内容などについて説明があった。

同一労働同一賃金については、同一企業内における通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間の不合理な待遇さの解消の取り組みを通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにすることを目指すものだ。

同一労働同一賃金に対応して取り組むべき内容とは、1.不合理な待遇差の確認、2.「職務の内容」及び「職務の内容・配置の変更の範囲」の同一性の考え方、3.確認・見直しのポイント、の3点だ。なお、確認・見直しのポイントとは、正社員と短時間・有期雇用労働者の定義を明記、人事考課の透明化、手当を中心とした賃金体系の見直し、の3点である。

また、厚生労働省は、同一労働同一賃金ガイドラインの解説のなかで、パートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法に基づいて「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」(同一労働同一賃金ガイドライン)を策定している。

最後に、同一労働同一賃金で一番大切なことは、正社員と短時間・有期雇用労働者の職務内容等を明確化し、待遇差について説明できるよう、労使でよく話し合うという、コミュニケーションが必要だとした。待遇差が生じる場合はその理由等の説明など、内容を明文化しておくことがリスクを未然に防ぐ。さらに、人事考課基準を透明化していくことも有効で、ベテラン契約社員などは正社員への登用を検討することも必要になるためだ。