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困っている人を助けたい−神姫観光バスがリフト付きバスを導入
 神姫観光バス(舟本寿文代表取締役)は5月から車いすの乗降用リフトを設置した観光バスを導入することを決めた。リフトと横向きのガイド席を備えた観光バスとしては全国初となる。来るべきバスの運行に備え、1日、同社はNPO法人姫路自力生活支援センターと共に、車いすの接客実習を行った。

 同社によるとリフト付き観光バスを担当するのは運転士5名とバスガイド5名の計10名。全員が普通救急救命士の資格を取得しており、今後はサービス介助士の資格を所持することも視野に入れて社内教育を行う方針。旅行を前に足をケガしてしまった人たちや車いすを利用している人々たちの利用を期待しているという。

 実習の中で、運転士の男性は「手動と電動の車いす。前向き、後ろ向きのどちらでお乗せするか、まだまだ、練習しなければ」と話し、同じく、実習に参加している社員らと意見を交換。各々が真剣な眼差しでリフト付きバスを眺めていた。

 一方、バスに体験乗車した妻鹿恵(54)さんは「われわれ、障害を持っている者に対しての貴重な足になると思うと嬉しい。神姫観光バスさんもバスの運行に力を入れ、社員の皆さんも熱心に話し合い熱意を感じた」と感想を話していた。

 同社総務課の荒木誠一さん(38)は「社内教育をしっかり実施してお客様から信頼されるよう努力していきたい」と意気込みを語る。

○神姫観光バス
 平成9年11月20日設立。売上高31億39百万円(平成20年度)。平成21年8月から使用済みのペットボトルのキャップを社員一同が協力して回収し、NPO法人あゆみ会(千葉県木更津市)まで贈るという取り組みを始めた。あゆみ会は東南アジアを始め発展途上国で小児マヒに苦しむ子供たちにポリオワクチンを広める活動をしており、これまで、神姫観光バスからあゆみ会へ計8万個を贈っている(800個1人分=20円)。
 同社の取り組みを新聞報道で知った人々が「わたしの集めたキャップを使って」と営業所に持ち寄ることもあり、その反響も大きいという。