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全国初−全運転士にサービス介助士取得義務付けへ(尼崎市)
 尼崎市は急増する高齢者や障害を持った人々に対応するため、全運転士にサービス介助士2級の資格を取得させることを決めた。車イスを利用する人や足の不自由な人々などに幅広いサービスを提供することを狙う。運転士全員の取得を目指すのは公営バスでは尼崎市が初。今後、8年間かけ、全運転士に資格を取得させることを目指す。

 尼崎市は平成21年3月末には全国初となる全車両のノンステップ車の導入に踏み切っている。バス購入にあたり、補助金の一つである平成20年度公共交通移動円滑化設備整備費補助金による支援を受けている。

 同市交通局運転士の高宮城正彦さん(50)は「日々の乗務の中で車両も変わり、覚えるのが大変。乗務員は必ずバスの車種を確認し対応の仕方を考える」と話し、「車イスに乗られている方に乗車して頂く際には乗車時は前向き、降車時は後ろ向きでお乗せする」と日常の業務で心掛けている点について語る。

 また、同市のバスの車内に車イスの利用者が乗車する際に固定する歯止めは他に見られない独自のものだという。運転士の柳川公精さん(56)は「歯止めで固定することによって、お客様も安心する場合がある。シートベルトで車イスを固定していた時に他のお客様から苦情があり、車イスに乗られている方からも自由を奪われている気がするという声が寄せられていた」と話していた。

 高宮城さんは「やっぱり、当たり前の事とニーズに合わせたサービスを提供するのがわれわれの仕事」と言ってにこりと笑った。