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草津市―交通基本法への期待
 移動権(人が自由に移動する権利)を交通基本法の中に盛り込むことを政府・与党は検討している。この中で各地方自治体の反応はそれぞれだ。先日、三日月太造国土交通政務官などが出席し、開かれたタウンミーティングを開催した草津市でもその反響は大きい。草津市によると交通基本法で移動権を位置付けることは意義深いことだとしている。

 その中で懸念される点は
 1.継続的な財政支援 
 移動権を保障することは需要の少ない路線にもバスを走らせることが求められる。公共交通の維持にはある程度の持続的な支援が必要で、現行の公共交通活性化事業での3年間の助成に加え、更なる継続的支援を期待したい
 2.モビリティマネジメントの一層の推進
 限られた予算の中で移動権を守るためには移動手段を選ぶ権利をある程度制約することも必要
 通勤・通学は交通の大きな要素であるため、国民の責務に、一般企業の概念も含めると、実効性が向上すると考えられるため、位置づけを期待したい。
 3.民間事業者と公共主体との分担のルール化(基本的な負担の考え方)
 公共主体が事業者となる場合、全体の採算をとるために需要の多い路線を走らせることがあるが、これは、既存の民間事業者から見れば利益を取られているのと同じ。
 現在はルートや料金の設定は地域ごとに協議会で設定しているが、事業者の利害に直結するため平行線をたどることが多い。この点について国の基本的な考え方のルール化を期待している。
 
 草津市は交通基本法には期待しているとしながらも、権利を保障するためには義務(責務)が発生するとし、法案でも責務が明確に位置付けられているが、具体的な内容が規定されて初めて実効性が伴うので、今後の検討の動向を見守りたいとしている。