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交通政策は国の要−日本バス協会総会・事業者大会 (2/2)
 また、堀内会長は野放図なツアーバスや悪質な業者の排除、コミュニテイバスの無秩序な拡大などの問題と同時にバリアフリーと環境対策の問題に触れ低公害CNGバスは全国のバス保有台数10万両のうちわずか1755両(全国10万両)の導入にとどまっていることに懸念を示した。

 来賓は前原誠司国土交通大臣の予定だったが公務のため、欠席。代理出席した津川祥吾国土交通大臣政務官は「政務官に就任する前は事業仕分けに関わっていた。仕分けの中で最大の判断基準は目的が適切か。成果が出ているか。時代に沿った事業が行われているか。交通基本法の中に盛り込まれる予定の移動権についても、国がなぜ、支援するのか。どのように提起するかが問題だ。地方に住む人々も豊かな暮らしが出来るように交通基本法の役割を認識し、交通の憲法を作ろうと全力で力を尽くしていく」と祝辞を述べた。

 事業者大会では講演も行われ、山口勝弘国土交通省総合政策局交通計画課長と新田慎二国土交通省大臣官房参事官が講師として交通基本法とバスネットワークに関連する内容についてそれぞれ解説した。山口交通計画課長は平成18年に民主・社民両党が案として提示した交通基本法案の条文のうち「(第二条)すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な移動を保障する権利を有する」に触れ、暮らしの中で移動する権利をどう保障するかが今後の問題と指摘し、年々、増加する高齢者、外出機会及び交通事故の数などに関する資料を元に解説した。

 新田大臣官房参事官は「バスネットワークの将来像について」と題して講演を行い、「バス事業者の企業努力に頼る時代は終わった。これからは企業性を重視した経営が大切」と聴衆に説明した。

 事業者大会終了後の懇親会には三日月太造国土交通副大臣、石井一民主党副代表などが出席。石井副代表は「これまでの政権の重要施策の中のトップ10に交通関係の問題が盛り込まれることはなかった。交通基本法が民主党のマニフェストの主要施策に入れられるということはまさに変化の象徴だ」と祝辞を述べた。