富士通、新たなDeep Learning技術を開発
カテゴリ:総合(行政・政治) 2016-02-16配信 |
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株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)は2月16日、IoTアプリケーションに活用が期待される、振動が激しく人による判別が困難な時系列データに対して高精度な解析を可能とするDeep Learning技術(注2)を開発し、発表しました。
Deep Learning技術は、人工知能の発展におけるブレークスルーとして注目されており、画像や音声では極めて高い認識精度を達成している一方で、現状では画像や音声の認識など限られた種類のデータにしか有効に適用できていません。特に、IoT機器などに搭載されているセンサーから取得される変動の激しい複雑な時系列データは、Deep Learningだけでなく他の機械学習技術でも高精度な分類を実現することは困難でした。 今回、最先端数学を活用し、時系列データから幾何的な特徴を抽出することで、激しい振動の時系列データを高精度に分類することができるDeep Learning技術を開発しました。 今回、最先端のカオス理論および位相幾何学を活用し、時系列データを高精度に自動で分類することができるDeep Learning技術を開発し、変動の激しい複雑な時系列データも扱えるようになりました。 開発した技術は、以下の手順によって学習し、分類するものです。 1. カオス理論に基づいた、時系列データの図形化 センサーにより観測される数値は、力学的な運動が複雑に組み合わされた結果として、表面的に現れます。この力学的な運動の仕組みを直接調べることは困難ですが、データの時間変化をグラフ上にプロットしていくと、運動の仕組みごとに特徴的な軌跡を描く事が知られています。この図形化手法を用いることで対応する時系列データを、図形として区別することが可能となります。 2. 位相幾何学に基づいた、図形の数値化 1で得られた図形のまま機械学習を行うことは困難なため、位相幾何学に基づくデータ分析手法の一つであるトポロジカル・データ・アナリシス(注4)を用いて、図形の特徴を数値化しました。この手法では一般的にイメージされる図形としての特徴ではなく、図形に含まれる穴の数や、大まかな形状を特徴として分析し、独自のベクトル表現に変換します。 3. 畳み込みニューラルネットワークによる学習と分類 2で得られた独自のベクトル表現を学習する畳み込みニューラルネットワークを新たに設計しました。これにより、複雑な時系列データの分類が可能となります。 これにより、ウェアラブル機器などに用いられるジャイロセンサーの時系列データの分類を行うUC Irvine Machine Learning Repository(注3)のベンチマークテストにおいて、既存技術に比べ約25%増と大幅に精度が向上し、約85%の精度を達成しました。 なお、本技術は富士通株式会社のAI技術「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)(以下、Zinrai)」に活用していきます。
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