年頭所感― 一般社団法人 兵庫県タクシー協会長 吉川 紀興
カテゴリ:総合(行政・政治) 2022-01-05配信 |
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客のニーズに、的確に応える
新年あけましておめでとうございます。 令和4年の年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。 一昨年に発症した新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影 響により、全国一斉に「緊急事態宣言」が発令され、その宣言が解除された後も、兵庫県においては、再び感染が拡大し、まん延防止等重点措置に引き続き、緊急事態宣言が4回発令され、漸く9月30日に緊急事態宣言が解除されました。 緊急事態宣言等の発令により、人の流れが大きく制限されたことや「3つの密」の回避、テレワークの推進、旅行や出張を控えめにする新しい生活様式が示されたことにより、タクシー事業も甚大なる影響を受けました。タクシーは、人の移動がなければ需要が発生しないのは当然で、コロナ禍前の営業収入との同月対比では、緊急事態宣言が発令された直後の令和2年4月と5月の営業収入は60%減少し、緊急事態宣言が解除されるまでの1年9ヶ月間の同月対比を平均すると約35%減少しています。 この間、我々も全タク連を先頭に、政府・国への支援要望や与党・野党のタクシー議員連盟にも繰り返し要望を行って参りました。その成果として、事業者への経営助成である持続化給付金、資金繰り支援、雇用調整助成金が拡充され、令和2年度の「第3次補正予算」(国交省所管)でクシー事業者に対する助成として、ニューノーマルタクシーなどに採用されている高性能フィルタを備えた空気清浄機の装着、モニターによる空気清浄状態の「見える化」など新技術の活用等による感染症対策を図り地域公共交通の維持・活性化に向けた取り組みに対する補助が実施されました。 また、県下41市町に新型コロナウイルス感染防止等の取り組みに対する支援を要望する文書の発信や、自治体を訪問して要請した結果、神戸市を始め三田市や加古川市で「妊婦クーポン券」、「明石市サーポート利用券」の配布、姫路市、豊岡市、養父市、洲本市、淡路市、南あわじ市等で各市独自の補助支援を受けました。 さらに、昨年8月の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用した支援を兵庫県及び県下各市町に要請した結果、兵庫県は、タクシー事業者が実施した感染防止対策を支援する事業として、1両当たり7,000円を35両上限に補助、神戸市は、市内に配置する全車両について、1両当たり7,000円を補助、また、県下の宝塚市、伊丹市、姫路市、赤穂市、小野市、たつの市は各市独自の支援を、多可町、加古川市、西脇市、三田市、播磨町、宍粟市、上郡町、佐用町、淡路市、洲本市、南あわじ市等は県に準じた支援のお話を頂いており、協会が実施する感染防止対策の補助事業は、会員各位の協力を得て3月上旬の完了を目指しています。 昨年秋に誕生した岸田政権は、「成長と分配の好循環」を掲げ、令和3年度補正予算の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に、全タク連が要望している事業者への支援、生活・暮らしへの支援、エネルギー価格高騰への対応、安全・安心を確保した社会経済活動の再開、GоTоトラベル事業の再開、分配戦略などに期待しているところですが、新型コロナウイルス感染症は、南アフリカで新たな変異株(オミクロン株)が確認されるなど、感染拡大が収束するまで、今後も「タクシーにおける新型コロナウイルス感染症予防対策ガイドライン」の対策を取り組んでいく必要があります。 改正タクシー特措法については、昨年10月1日に姫路・西播磨交通圏が新たに準特定地域に指定、また、11月30日に神戸市域交通圏が準特定地域から再び特定地域に指定されたため、姫路・西播磨交通圏タクシー準特定地域協議会及び神戸市域交通圏タクシー特定地域協議会を開催していかなければなりません。 一方、コロナ禍において、タクシー乗務員は県下全体で、この2年間に約1,200人減少しており、人の流が活性化し、営業収入が回復傾向を示す中で、乗務員不足への対応も大きな課題となっています。 その他、業界が抱える課題として、10月に改定された「最低賃金」をはじめとした「労働条件の改善、働き方改革の実現」を皮切りに「改善基準告示の見直し」、「ユニバーサル社会の実現に向けた取り組み」、「交通事故防止及び輸送秩序の確立」、「運転代行業の違法行為への対応」、「ライドシェアーについて新しい資本主義実現会議、デジタル田園都市国家構想実現会議における議論を注視」、「ケア輸送の推進」など、いずれも重要な課題であり、専門委員会での議論を深め、会員各位のご意見をいただきながら協会一丸となって取り組んでいく所存であります。 本年度に予定されていた「ワールドマスターズゲームズ2021関西」は2026年5月に再延期、「神戸2022世界パラ陸上競技選手権大会」は2024年春に延期されますが、新たに「兵庫デスティネーションキャンペーン」が2023年7月〜9月に開催されますが、その前年にプレデスティネーションキャンペーンが7月〜9月に実施されます。年々輸送需要が減少する状況の中で、お客様の様々なニーズに対応するための取り組みが重要になっていますが、引き続き兵庫県下それぞれの地域において、地域の皆様の声をお聴きして各支部とともに事業活動の積極展開を図ってまいりたいと考えております。 最後に、会員各位の益々のご健勝と事業のご発展をご祈念申し上げますとともに、関係各位の深いご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげまして、年頭にあたってのご挨拶と致します。
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